株式会社と合同会社
今日からは会社法務について書いていこうと思います。
「いよいよ自分の城を持つぞ!」と起業を決意した際、最初にぶつかる壁が「会社の形をどうするか」です。
最近では、AmazonやAppleの日本法人も採用している「合同会社(LLC)」という選択肢が一般的になってきました。しかし、ネットの「安いから合同会社でOK」という情報だけで決めてしまうのは少し危険です。
今回は、行政書士の視点から、後悔しないための選び方のポイントを解説します。
1. 初期費用の差はどれくらい?
まず、誰もが気になる「お財布事情」です。
| 項目 | 株式会社 | 合同会社 |
| 登録免許税 | 15万円〜 | 6万円〜 |
| 定款認証手数料 | 約3〜5万円 | 0円 |
| 合計(概算) | 約20万円〜 | 約6万円〜 |
初期費用だけで見れば、合同会社の方が約14万円もお得です。この差額を広告宣伝費や備品代に回せるのは、創業期には大きな魅力となります。
2. 「信用度」と「ブランディング」のリアル
では、なぜわざわざ高いお金を払って「株式会社」にする人が多いのでしょうか? それは「対外的な見え方」です。
- 株式会社: 歴史が長く、誰でも知っている安心感があります。将来的に「上場」を目指すなら、株式会社一択です。
- 合同会社: 自由度が高い反面、BtoB(企業間取引)や古い体質の業界では「聞き慣れない会社形態だな」と保守的に見られるケースが稀にあります。
3. 意外と知らない「決算公告」の義務
株式会社には、毎年の決算を官報などで公表する「決算公告」の義務があります(これにも数万円のコストがかかります)。一方、合同会社にはこの義務がありません。
「ランニングコストを抑え、身内だけで静かに経営したい」という方には、合同会社が向いています。
行政書士からのアドバイス
「初期費用を抑えたい」というのは立派な戦略です。しかし、もし数年後に「出資を受けたい」「優秀な人材を役員として迎え入れたい」と考えているなら、最初から株式会社にしておいた方が、後の組織変更の手間(とコスト)を省けます。
逆に、一人社長や家族経営で、小回りの利くビジネスを展開するなら合同会社にメリットがあります。「自分のビジネスにはどちらが合っている?」など、些細な疑問でも構いません。まずは一度、あなたの夢をお聞かせください。

